saga-lab-logo50x50.pngSaga Lab.

Language

ダイラタント流体を用いた触覚ディスプレイ

近年,触覚に訴えるインタフェースの拡がりとともに,触覚ディスプレイに関する研究が多くなされています.昨今は通常の物理的情報を提示可能なディスプレイとしてではなく,触覚という感覚そのものに訴える特殊な触覚ディスプレイも同様に多くみられます.しかし,これらの研究では一つの対象表現のために一つのデバイスが必要になり,汎用的とは言いがたいものがあります.そこで,我々は変形が可能であり,弾性を変化させうる液体状の物体を用いることで,自由な変形の可能性を残しつつ,柔軟な硬さの表現が可能な汎用デバイスを模索しています.我々はこのような物質として,ダイラタント流体を用いるディスプレイを提案しています. 粉粒体媒質を変形すると,粒子間の空隙が増して媒質全体の体積が膨張します.逆に,体積が膨張できないような状況では,粉粒体媒質は変形できず固体ように振る舞います.このような現象をダイラタンシーと呼びます. 非水溶性微粒子と水のある割合のコロイド溶液は,ダイラタンシーを示すダイラタント流体となります.この流体に急激な変形を加えることにより流体から固体へと相変化します.この変形に伴う相変化を利用して,外部からの強制振動により流体の弾性を制御することで触覚ディスプレイとしての機能の検証をしています.