触覚ディスプレイのための触覚振動の機械学習による評価

近年,多くの触覚ディスプレイにおいて,記録された振動を触覚信号として利用する方式が採用され,再現性の高い触覚提示を実現しています.我々は,この近年触覚再現性の高さで注目されつつある振動触覚に着目し,記録された振動信号から,機械学習によりヒトと同程度の触感を分類可能か否かについて検討します.これにより,心理物理実験に代わり,機械学習により振動信号自体を定量的に評価する手法として利用することを提案します.

加速度センサやマイクを利用してさまざななテクスチャを触察した振動信号を記録し,これらの振動信号16種類のうちの2種を選択し,これら2種の弁別精度として2クラス分類における正答率を計算し,全120種の組み合わせにおけるそれぞれの正答率を比較しました.

結果,利用する周波数帯域の増加が必ずしも弁別精度向上につながらないこと,加速度センサの弁別精度が上回っていること,触察速度は遅い方が弁別精度を向上させることがわかりました.すなわち,比較的人間の解釈に近い判別がなされていることが示唆され,信号の定量的な評価手法としての可能性を示すことができました.今後は,機械学習を用いた弁別精度による検証を通じ,より適切な情報の量や質,周波数帯域,取得方法の検討を行います.